増える孤独死、社会保障は十分か

国立社会保障・人口問題研究所が発表する将来推計によれば、2040年には単身世帯が全世帯の39.3%と増加し、65歳以上が世帯主となる割合は44.2%に上り、男性の5人に1人、女性は4人に1人が一人暮らしになるという。

単身高齢者が安心して暮らしていくには、社会で支える仕組みが不可欠だ。

核家族化が進み、1980年の一人暮らしの高齢者と数と比較して2010年には倍増した。高齢化だけでなく、配偶者との死別や未婚のまま高齢化した男女の割合も増加が予測される。単身者の場合、病気やけが、不慮の事故などで一気に貧困リスクが高まる。もともと所得の少ない人や、自営業などで基礎年金しか支給のない人ならなおさらだ。いざというときに頼れる地域や人のネットワークづくりも、仕事と両立するのは難しく、孤立する危険が高い。さらには長生きすればするほど人生設計を考えれば、長く働いて年金の受給を遅らせ、蓄えを後に残さねばならない。まずは男女ともに安定して働き続けられる環境の整備が必要となるのだ。

それには介護サービスの需要増は明らかだが人材確保はいまだ安定しない。さらに単身者にとっては、入院や施設・賃貸住宅入居時の身元保証も課題だ。保証人のいない高齢者の入居を嫌がる住宅や施設は少なくなく、自治体や成年後見人による身元保証が望まれている。介護や医療のサービスを受けようとしても、自己負担を強いられ、思うような生活ができない懸念があり、サービスを享受できるのは一部の富裕層のみということであろう。

消費税増税で、子供の保育料の無償化がされるというが、社会保障としての配分はこれでよいのだろうか。この保育料の無償化の恩恵を受けた子供も含め、誰もが高齢者になる。単身高齢者になる可能性は誰もが秘めているのだ。国民皆保険制度の見直しや生活保護の不正受給など、日本社会が見直すべき社会制度と再配分は良い方向へと進んでいくのであろうか。

参照:国立社会保障・人口問題研究所

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